本編でユーグが片手だけ手袋してる件には触れないことにしようと思うので、本編でユーグが喋る予定だった話を書くんだけど、ユーグが片手だけ手袋してることには本当に何の意味もない
あの世界では魔術を使うことができる人は幼児の内に魔術教室に通うことが義務付けられていて、魔術教室では魔術の暴発による事故を防ぐために手袋やローブを身につけることが定められている
大人のユーグの魔術師の正装みたいなやつ
で、ある日ユーグは手袋の持参を忘れたのだが、幼さ故に『手袋をしないと危険である』ことを認識していなかったので、袖の中に手を隠しておけばバレないだろうと思って手袋を忘れたことを申告しなかった
でも当然速攻でバレて先生に大変怒られた
そしてユーグは思ったのだ
たかが手袋忘れたくらいでめちゃくちゃ怒られた
じゃあもういつも手袋をしておくから!と……
当時のユーグの主張は『俺は変なことをするけど、それは先生が俺を怒ったせい』ということであった
全く筋が通ってないけど、幼いユーグの中ではそういうことになっていた
幼いユーグはめちゃくちゃに怒られたのが理不尽だと思っていて、それを周りに認めてほしかったのだ
だから変なことをして周囲の気を引き、理由をきかれたら怒られた件を話すことにしたのだ
※この幼いユーグの謎理論は、作者である私が幼い頃に『お母さんが新しい傘を買ってくれないから傘をささない』という謎理論を掲げて傘をささない生活を送り、後に親にバレてめちゃくちゃ怒られた記憶に由来している
そして幼いユーグは本当に毎日手袋をし始めた
でも利き手に手袋してるとダルいので、利き手は割とすぐ外してしまった
利き手でないほうはずっと手袋をし続けていた
子どもの頃のユーグは結構意地っ張りであった
怒られたことに理不尽さを感じた強い気持ちはとっくに薄れてしまっても、頑なに己が宣言した行為を続けた
やめるきっかけも無かった
なぜなら手袋をしているのは『雨の中で傘をささない』とかいう行為と違って実害がなく、まわりも真剣にやめさせようとはしなかったから
そしてユーグは片手に手袋をするという謎の習慣を身に着けて大人になってしまった――
というのが、私がキャラデザのときに気まぐれに片手だけ手袋をつけたことで生まれたエピソードである